季節の生ジュースとくるみパンのお店「カド」
向島の一角に位置する、レトロなたたずまいの喫茶店。足を踏み入れれば、重厚な絵画とモダンな装飾にまず目を奪われる。内装デザインは、2代目のマスターである宮地隆治さんのお父様と交流があった建築家の志賀直三さんによるもの。なんとこの方、白樺派を代表する小説家、志賀直哉の実弟であるというから驚く。内装も、当時東京芸大の講師をしていた直三さんと生徒たちが手がけたものだ。そんな経緯も影響してか小説家の常連客も多く、小説の舞台に登場したこともあるという。



創業からの人気メニューは2種。そのひとつが、果物が手に入りにくかった時代には高級品として好評だった生ジュースだ。当時のままの製法でていねいに作られており、深いコクと鮮度を楽しめる。現在は、野菜を使用したからだにやさしい生ジュースをオーダーする人も多い。
そしてもうひとつが、店内で作られている自家製くるみパン。一度食べたらクセになる香ばしさが魅力で、テイクアウトも可能。なお。このパンを使用したサンドウィッチはボリュームも満点。生ジュースとの相性も抜群だ。


自家製パンのサンドウィッチは8種類
くるみブルーベリーパンのなすモッツァレラサンド(400円)
ハチミツ・アロエ・セロリ・パセリ・アスパラ・レモン・リンゴを使用した活性生ジュース(600円)
セットメニューは、750円~
創業当時は、向島の花街が隆盛だった時代。待ち合わせ場所として利用されることが多く、料亭常連客や芸者さんもよく利用していたという。当時に思いを馳せながら、マスターと向島の歴史や背景を語り合うのも楽しい。

季節の生ジュースとくるみパンのお店「カド」
東京都墨田区向島2-9-9
TEL:03-3622-8247
営業時間:11:00~21:00
定休日:月曜