男を上げるお洒落学【7】
Vol.7 靴下のマナー
スーツに合わせる靴下は、いわゆるハイソックスが標準です。
ヨーロッパでは脛(すね)を見せないという文化が古くからあり、庶民でも中世初期からブレー(仏:braies)と言う長ズボンの中にショース(仏:chausses)と言う腰まであるタイツのようなものを履き、脛を隠していました。
ショースは英語でホーズ(hose)と言ったことから、ハイソックスのことを現在でもロングホーズと呼びます。
一方で、日本の庶民は膝丈の袴(はかま)を穿いたり、着物を着流し(袴を穿かない)で着ることが多く、脛を出すことに抵抗が少なかったようです。
もちろん日本にも脛を隠す服装はありましたが、裸足に草履を履く文化との親和性が低かったのかもしれません。
そのような文化の違いもあり、日本人はスーツを着るときにも短い靴下を履く方が多いようですが、足を組んだ時などに脛が見えてしまうのは格好の良いものではありません。
マナーのためにハイソックスを履くのは分かったけど、真夏は暑いのでは?と思われた方、確かにその通りです(笑)
ただ私は、汗でスーツの生地が脚に張り付くような不快感な思いをせずに済むので総合的には快適だと思っています。
皆様も是非、スーツにはハイソックス(ロングホーズ)をご着用ください。
文章・写真 郷間裕(フィボナッチ紳士洋品店 店主)
フィボナッチ紳士洋品店
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