男を上げるお洒落学【8】
Vol.8 スーツのクリーニング
もうすぐ衣替えの季節です。
衣替えは地域によって若干の時期の違いがありますが、春夏物から秋冬物への衣替えは10月1日が一般的でしょう。
着なくなったスーツを収納する前に、出したくなるのがクリーニングですね。
今回はクリーニングとの付き合い方の話です。
クリーニングに出すとスーツ(に限らず全ての衣服)は劣化します。特にカシミアなどの繊細な起毛素材の場合はその風合いが大きく変わってしまう可能性があります。
プレスされることでせっかくの立体感が失われることもあります。
そのため、スーツを美しく保つために、賢くクリーニングと付き合わなければなりません。
気を付けるポイントは以下の通りです。
(1)スーツは極力クリーニングに出さない
私は数年に一度しかスーツをクリーニングに出すことはありません。いきなり極端な話になってしまいましたが(笑)、クリーニングに出す回数を減らすために以下のことを実践しています。
・まめにブラッシングをする
スーツのお手入れの基本はブラッシングです。洋服用ブラシを使ってホコリを掻き出すようなイメージでブラッシングしてください。
ウールなどの獣毛でできた素材は虫が大敵ですが、汚れが付着しているとその部分を虫が食べ生地に穴が開きますので、日ごろからブラッシングは大切ですが、衣替えの際は特に念入りにブラシをかけてください。
・衣類スチーマーを使う
電器屋さんに売っている衣類スチーマーは、スーツのシワを取るだけではなく除臭効果がありますので、汗や食べ物などの臭いが気になった時に使うと効果的です。
・消臭スプレーを使う
スチームをかけても臭いが気になる場合は、消臭スプレーを使いましょう。
(2)クリーニングに出す場合は、ドライクリーニングと水洗いを使い分ける
スーツのクリーニングの大半はドライクリーニング、つまり有機溶剤をつかって洗う方法です。
ドライクリーニングは油汚れを落とすのに適していますが、汗など水溶性の汚れはあまり落ちません。水溶性の汚れを落としたいのなら水洗いに出すほうが良いでしょう。
自分で判断できない場合は、信頼できるクリーニング屋さんとよく相談しながら、目的によって使い分けをしましょう。
文章・写真 郷間裕(フィボナッチ紳士洋品店 店主)
フィボナッチ紳士洋品店
東京都墨田区墨田5-4-7
http://fibonacci.tokyo.jp