デザインを通じて地域、社会のために働くことが私の役割
クリエイティブデイレクター・アートディレクター・デザイナー 髙橋正実さん
「デザインを通じて、社会のお役に立つことができれば」と語る髙橋正実さんは、「ニューヨークアートディレクタークラブ特別賞」(アメリカ)、「レッド・ドッド・デザインアワード」(ドイツ)、「アジアデザイン大賞金賞」(香港)、「日本パッケージ大賞」、「すみだが元気になるものづくり企業大賞」など多くの受賞歴を持つアートディレクターです。
読者のみなさんも知らず知らずのうちにも、髙橋さんのデザインを目にしていると思います。たとえば墨田区内を循環するバス「すみだ百景 すみまるくん・すみりんちゃん」のキャラクターや車両デザインは、髙橋さんが手がけたものです。
他にも墨田区の四季をテーマにした東京スカイツリーの「展望シャトル」の基本コンセプト・内装デザインなど、多くの作品が区内を彩っています。
生まれも育ちも墨田区。幼いころから町工場に囲まれた環境に育ったこともあり、ものづくりの現場を見ているのが大好きだったそうです。「このお家とあそこのお家の技術を合わせたら、こんなものができるんじゃないかな?」とイメージを膨らませていたというから、その時期から将来が決まっていたのかもしれません。
ものができる行程を見ることによって社会の仕組みを知り、大人が働いている姿を見て、社会がどう動いているか自然とイメージできていたといいます。
そんな髙橋さんは十代の頃より”デザインで社会の問題を解決したい”という意識を持って仕事に取り組んでいます。そして、対象となる歴史や過去を、理想的な未来とつなげることを常に意識してデザインしています。
理由は、働くとは、”社会のために働く”ということだと親から学んだそうです。地域の人々や環境に育てられ、幼いころ身につけた考えは、一貫して変わリません。
仕事はグラフィックデザインにとどまらず、商品やブランドのコンセプト、素材開発から産業の創出、マサミデザインとしてのブランド「MICACO」の立ち上げと幅広く、それらすべてに、「過去と未来を繋げ現在に落とし込み、デザインによって社会の問題を解決する」、という想いが込められています。
髙橋正実
MASAMI DESIGN