令和6年 小村井香取神社「香梅園梅まつり」開催中
文:田中未来
第31回 香梅園梅まつり
小村井香取神社境内にて、第31回香梅園梅まつりが開催されています。(会期:2024年2月17日(土)〜3月3日(日)まで)


2月17日(土)と18日(日)には、琴の演奏や抹茶・甘酒の接待をはじめ、第22代すみだ親善大使の撮影会なども行われました。



境内には120本の梅が植えられ、85種類の花梅が参拝者の方々を迎えます。


梅まつり開催中は、梅にちなんだパンやお菓子の販売も。

江戸時代の名所
「小村井梅園」の復活
「小村井梅園」は、かつて境内の隣に存在した梅園です。
江戸時代には3300坪の広大な敷地に梅が咲き誇り、徳川将軍家も御成りになったほどの名所として賑わいました。
安藤広重の錦絵にも描かれた小村井梅園ですが、明治43年の洪水によって廃園。当時の小村井梅園の面影を偲び、平成6年に現在の「香梅園」を神社の境内に開園しました。
名誉宮司の松原康行さんは、梅園の復活にあたり「(敷地の)広さでは敵いませんが、変わった梅や普段見られない梅を集めて、花の美しさと香りを楽しんでいただけるようにしました」と話します。
境内に植えた梅は、実梅(梅干や梅酢などの食用に適したもの)ではなく花梅。その中でも特に、色と香りの良い花梅が選ばれています。

松原さん:見た目が美しく、香りの良い梅を見ていると、独特な世界に触れた気持ちになって気分が安らぐ。境内でお参りした帰りに、梅の香りを感じていただくと「良いお参りができたな」という心が倍加します。
梅園の復元にとどまらず、「良いお参りになるように」という名誉宮司さまの想いが込められた香梅園。梅の植え方にも工夫を凝らしています。
日本画のような構図の
風景が広がる香梅園
梅の木に近寄って、花の形や色、香りの違いなどを楽しむと同時に、「少し離れて全体風景を見ていただくと、日本画のような構図の風景が広がります」と松原さん。
梅を植える際に、横山大観や前田青邨など、明治大正期の著名な画家たちの絵を見ているような構図になるように、配置を意識したとのこと。
松原さん:枝垂れの周りには背の低い梅を植えたり、白梅と紅梅、ピンクの梅のバランスを考えながら組み合わせることで、全体的に日本画を見るような風景を再現しています。

奥行きのある風景を意図的に作り出すことで、三次元的な広がりが感じられるように。
花梅の良い香りに包まれた小村井香取神社の香梅園が楽しめるのは、3月3日(日)まで。

第31回香梅園梅まつり
会期:2月17日(土)〜3月3日(日)
場所:小村井香取神社
住所:墨田区文花2-5-8
TEL:03-3612-0878
最寄り駅:東武亀戸線「小村井駅」より徒歩5分
HP:https://koubaien.sakura.ne.jp/koubai/