プリキュアとコラボ!園児たちが「生き雛様 ひなまつり」を開催
2月28日(水)私立向島文化幼稚園(八広六丁目24番6号 吉川宜範・園長)の3階ホールで園児たちがひな人形に扮する「生き雛様 ひなまつり」が開かれました。
この行事は、昭和26年の同園開園時から毎年行われていて、今年で68回目を迎える伝統行事です。
会場となった同園ホールには、高さ約2.5mのひな壇がつくられ、その後方には壁代(かべしろ)と呼ばれる白・赤・黒の3色でできた幕が飾られました。机や椅子でつくられた4段のひな壇には、衣装を身につけた園児19人がおすまし顔で登壇。お内裏様に扮した男の子は、隅田稲荷神社の宮司でもある吉川園長が以前使っていた黒い冠をかぶり、笏(しゃく)を手に、衣冠束帯(いかんそくたい)の正装。一方、おひな様に扮した女の子は、赤い着物の上に十二単をまとい、天冠(てんかん)と呼ばれる金の冠をかぶり、きらびやかな扇子を手に、口紅とおしろいで可愛らしくお化粧をしています。また、弓矢を背にして狩衣をまとった左大臣と右大臣、杯をのせた三方や長柄の杓、銚子を持った三人官女、笛や太鼓を手にした五人囃子、お揃いの鳥帽子をかぶった仕丁(しちょう)など、どの園児もそれぞれの役になりきってひな壇に並んでいます。このほか、仕丁の両脇には右近の橘、左近の桜に扮した子どもたちも登壇し、華やかな段飾りが完成しました。
吉川園長が園児たちに、ひなまつりや同園伝統の「生き雛様」が始まった経緯の説明をした後、保護者や同園教諭など約80人が見守る中、会場に集まった全園児たちによる「うれしいひなまつり」の大合唱や年長組の園児たちによる鍵盤ハーモニカやタンバリン、大太鼓、トライアングルなどの楽器で「おひなさま」の合奏を披露し、全園児で一足早い桃の節句を祝いました。
また、この日は『映画プリキュアスーパースターズ!』の映画宣伝イベントとのコラボレーションが行われ、映画で主人公のキャラクターの声優を務めた引坂理絵(野乃はな/キュアエール役)さんも登場し、子どもたちは、ひしもちやひなあられなどをプリキュアのキャラクターたちと一緒に飾り付けをして雛祭りを楽しんでいました。
おひな様の大役を務めた女の子の園児は「高いところに上がって少し怖かったけど、プリキュアとも一緒にお話しができて楽しかった」と少しはにかみながら話していました。
<生き雛様 ひなまつり経緯>
この珍しい”ひなまつり”は、同園を開園した現園長の父で隅田稲荷神社(墨田四丁目38番13号)の宮司でもあった故 吉川 正五氏が考案したものです。正五氏は、終戦の混乱が続いていた昭和26年に、神社の境内で幼児の世話を始めたのをきっかけに同園を開園。当時は、空襲などでひな人形を消失したり、壊されたりして「ひなまつり」を祝うことのできる家庭が少なかったことから、園児たちがみんなで桃の節句をお祝いできるようにと、同園教諭や保護者が衣装や小道具を手作りでそろえ「生き雛様 ひなまつり」を始めました。以来、毎年桃の節句を控えたこの時期に開かれるようになり、今では、同園の春を告げる伝統行事としてすっかり定着しています。
【写真・記事提供:墨田区役所・企画経営室広報広聴担当】