おしゃれな すみだ

ライター：田中未来

皆さんはすみだのまちに対して、どのようなイメージを思い浮かべますか？下町風情、職人と町工場、音楽フェスティバル、水族館など。古いものと新しいものが共存する墨田区では、今、おしゃれなスポットが日に日に増えてきています。お店のコンセプトや商品に込めた想い、空間づくりに至るまで、あらゆる側面に店主のこだわりが感じられて、思わず通いたくなる場所ばかり。今回の特集では、すみだのまちに新たなイメージを吹き込む、個性豊かなおしゃれな店舗を紹介します。
（全15店舗）

飲食店

錦糸町駅北口側、ロッテシティホテルの裏手にあたる錦糸四丁目。昭和の終わり頃までは、多くの菓子製造会社が集っていたエリアが、今、新たな人気スポットとして注目されはじめています。

「SMI:RE DINER KINSHICHO（スマイルダイナー錦糸町）」は「暮らしがお店、お店が暮らし」をコンセプトに、設計事務所のビーフンデザインがリノベーションを手掛けた職住一体型の住宅。住人は1階のお店スペースを使って、日替わりでお店のマスターとなり、料理やコーヒーを振る舞います。

現在営業中のお店は3店舗。野菜の旨みをスパイスで引き出し、ココロとカラダを整えるアーユルヴェーダかりーとセイロンティーを提供する「Araliya Tea stand & Spice Lab」。消化に負担がかかりにくく、五感をフル活用してヘルシーな食事を味わえます。

香港式食堂の「郁苑茶餐廳 ユウユウ食堂」は、点心や焼豚、海老雲呑などの定番メニューと、店主のアレンジが効いた香港の家庭料理やスイーツを楽しめます。仲間同士の貸切利用も可能で、北京ダックも注文できるそう（要事前相談）。

「STOP and GO COFFEE」はヨガインストラクターの店主が、自家焙煎した豆を使ったコーヒーを提供。苦味を抑えた浅煎りで飲みやすいコーヒーは、仕事の合間や出勤前など、気持ちの切り替えに立ち寄るのもオススメです。

ほかにも、イタリア料理教室の開催や、今後はワインバーの営業予定もあるとのこと。大家の宮本さんは、この地域を再びにぎわいで溢れる街にしようと、物件を利用したさまざまな取り組みを行っています。「一人でお店を持つのはリスクが高くても、住みながらにしてお店のスペースが借りられて、各々がやりたい時にお店をやれるような、個性あるお店の集合体をつくっていきたい」と宮本さん。新たなカルチャーが芽生えはじめた錦糸四丁目の進化に、乞うご期待。

SMI:RE DINER KINSHICHO

住所：東京都墨田区錦糸4-3-10
営業日および営業時間の詳細は各店舗のインスタグラムを参照してください。

本屋

石原一丁目にある独立系書店のYATO（やと）。ブルーグレーの壁に囲まれた空間に広がるのは本の海。常時6千冊ほどの在庫のうち9割は新刊で、一部古書も販売中。人文系の本から絵本や図鑑、雑誌のバックナンバーまで。オールジャンルを取り扱いつつ、お客さまからのリクエストにも対応しています。

「良い本で読むべき本は、あまり売れないかもしれないけど置いておきたい」と語るのは店主の佐々木さん。入り口付近の本棚には、気軽に読みやすいエッセイや旅の本をはじめ、どこかで耳にしたような世界のトレンドジャンルを扱った本も。「流行を知らなくても面白そうだと思える本など、なるべくソフト＆ハードにいろいろ置いています」と佐々木さん。知的好奇心を刺激する棚づくりは「ちょっとした一冊がジャンルの境目になっていたり、世界を変える『しるし』となっています」。

独立系書店の少ない地域でお店をはじめた理由は「誰もいない場所の方が、やる意味があったから」とのこと。じつは今、飲食店とマルチなカルチャースペースを備えた複合施設を近隣にオープンする計画もあるのだそう。佐々木さんの今後の活動にも要注目です。

YATO

住所：東京都墨田区石原1丁目25-3
営業時間：14:00〜21:00（平日、土曜）13:00〜21:00（日曜）
（変更が多いため営業時間・定休日はTwitter／Instagramで要確認）
定休日：水、木曜

カフェ・グリーン＆フラワー

「両国の10坪デパート」をコンセプトに、コーヒー、ジェラート、グリーン&フラワーの専門店3件が小さな空間で楽しめる＆Ryogoku。奥行きのある細長い店内は、秘密の部屋のような居心地の良さがあります。

日によってバリスタが変わるコーヒーショップでは、曜日ごとの店主の持ち味を活かしたコーヒーやフードを提供。コーヒーは、亀沢に焙煎所を持つシドニー発のコーヒーカンパニー「Single O」の豆を使用しています。

ジェラートは徳之島の黒糖やザラメを使った、ジェラートと焼菓子の専門店「Eboneko」のレシピを再現したもの。ジェラートにエスプレッソをかけたアフォガートや、イチゴやメロンなど季節の果物を用いたフレーバーが人気です。

また、両国一丁目の花屋「華業 樹」の分店として、店主独特のセンスが光るドライフラワーやブーケも手頃な価格で販売。店内に飾られた観葉植物も華業 樹によるもので、一部購入が可能です。

「おいしいコーヒーとデザートのどちらもご用意していますので、ご家族みなさんで楽しんでほしい」とディレクターのチャコさん。国技館や北斎美術館の帰り道、カフェめぐりの道中にぜひ立ち寄ってみては。

＆Ryogoku

住所：東京都墨田区両国4-30-9 RR bldg. 1F
TEL：03-4361-8729
営業時間：10:00〜19:00
定休日：なし