不思議な体験

こんにちは。すみだノート編集部の木下直也です。

先日、編集部のケン坊とキラキラ橘商店街をブラブラ歩いていた時のことです。
商店街の明治通り側の入り口にある「うちらの居間 分館」の前を通りかかると、ロールカーテンが下りていて中がよく見えないけど人の気配があります。

さらによく見ようと窓に近づくと、中から数人の女性が現れて我々を中へ誘います。
誘われるままに薄暗い店内に入ると、そこで行われていたのは・・・。

ドイツを中心にヨーロッパで活動する現代美術アーティスト『カトリーヌ・ヴァル』のワークショップでした。

2月に初来日展「STORY ROOM body,freedom and space」の Part1「Female Wisdom」が恵比寿で行われ、3 月7 日(木)~3 月11 日(月)には、京島のウラダナでPart2 「Light Matters」が行われます。

それに先駆けて行われたワークショップに、そうとは知らずに潜り込んでしまいました。

店内には10人ほどの女性がいて、その中心に黒い服を着た女性。それが『カトリーヌ・ヴァル』でした。

黒い服に黒縁の眼鏡。その眼鏡の奥には、不思議な色の瞳が室内の弱い光を反射して光っていました。

女性達の自己紹介と持ち寄った本の紹介が始まると、途中からカトリーヌが指示を出し、本の紹介を続ける女性の体にプロジェクターで文字が投影されます。

店内にあった銀盆を手に彼女を取り囲み皆で「キッチン」と唱えながら銀盆を打ち鳴らし、カトリーヌは指示を出しながらそこに現れた何かを封じ込めるように一心にシャッターを切ります。

徐々に音とスピード上げ、やがて静寂へと戻って行きOKとともに緊張から解放されます。

解放されたのも束の間、次にカトリーヌは私の手を引いて中央に立つように指示します。
そして手には小さなコップ、顔にはお面を被せられ視界は遮られました。

その状態でキッチンまたは母にまつわる思い出話をしてくれと頼まれました。

私は「母のお好み焼き」の話をしました。周りの状況が見えないままカトリーヌの指示で口笛が始まります。口笛を吹きながら人々が、私の持つコップに同じ形のコップを重ねていきます。

視界を奪われた分、感覚が研ぎ澄まされていく。増えていくコップの重みと頭の周りでランダムに発せられる口笛。やがて高まりを過ぎると潮が引くように静寂へと…。

仮面を外すとカトリーヌが私の手を取りにっこりと笑い御礼を述べました。
こちらこそ、ありがとうございました!まさか飛び込みでこんな不思議で刺激的な体験をできるなんて。

今回私が参加したワークショップは4回あるうちの1回目でした。
残りは下記の通り。

2回目 3月8日(金)11:00〜12:00

3回目 3月9日(土)14:00〜16:00

4回目 3月10日(日)14:00〜16:00

すべて参加無料なので、興味のある方はウラダナの展覧会と合わせて是非参加してみてはいかがでしょうか。

改めまして、展覧会 Part2 「Light Matters」は、

3 月7 日(木)~3 月11 日(月) 11:00〜19:00

ウラダナ(京島3-57-7)で開催。

また、ウラダナ近辺のカフェoff COFFEE. (文花3-2-1踏切長屋内)では恵比寿にて展示したPart1 「Female Wisdom」の作品を3月9日(土)まで公開中。(日曜・月曜定休 12:00〜19:00)

off COFFEE.はおいしいコーヒーとたい焼きが頂けるお店です。良かったらこちらもどうぞ。

すみだノート編集部
木下直也

木下直也