すみだ物語

暮らしのものがたり

暮らしを豊かにする家族写真【4】

家の中に写真を飾ろう

家の中に写真を飾ろう

©︎2017 Yuka Hanada

こんにちは、カメラマンの花田友歌です。

皆さんは、撮影した写真をどのような方法で見返していますか?プリントしてアルバムに入れたり、フォトブックにしたりして見るでしょうか。それともスマホで見ていますか?もしかしたら、撮りっぱなしで見返すことがあまりないという方もいるかも知れませんね。

写真を見る方法は、大きく2つに分けられます。1つはプリントやフォトブックなど、いわばアナログな方法で見ること、もう1つはスマホやパソコンなど、デジタルな方法で見ることです。どちらが好みでしょうか?
どちらの方法もそれぞれに良さがありますから、上手く使い分ければよいと思います。ただその上で今回私がおすすめしたいのは、気に入った写真をプリントして家に飾るという方法です。

デジタルな方法で見る場合、スマホやパソコンなどでちょっとしたスキマ時間に眺めることもできるし、テレビなどに映してスライドショーのようにみんなで楽しむといった方法があります。スマホなら時間や場所を問わずいつでも見られますし、SNSで共有したり、クラウドなどに保存して家族で共有すれば、頻繁には会えない友人や、遠くに住むおじいちゃんおばあちゃんにもいつでも見てもらえます。とても便利な方法ですが、デジタルな写真は無限とも思えるほどたくさん保存されていて、その都度全部を見るということは現実的に不可能です。じっくり眺めるというより、ひとりの時間にさっと手早く見返すような見方になりそうです。

一方でアナログな方法として、アルバムやフォトブックにした写真を開いて眺める方法があります。これはデジタルな方法に比べると、1枚1枚をゆっくり眺めて、その写真を撮影した時のことに思いを馳せるような楽しみ方になりそうですね。家族で一緒にアルバムを開いて、この時はこうだった、あんなことがあったという会話も生まれるかもしれません。

家の中に写真を飾ろう

©︎2019 Yuka Hanada

そしてアナログな方法のもうひとつは、プリントした写真をフレームに入れたりパネルにして家の中に飾ることです。この方法では、リビングやダイニング、玄関やトイレといった、日々生活している空間の中に写真を置くので、ふとした瞬間に自然に視界に入ってくることがあります。先に述べた方法はいずれも、写真を「見よう」と思って自分でアプリを起動したり、アルバムを開いたりする行為が必要なのですが、この方法だけは、写真が向こうから勝手に視界に飛び込んできます。このことが、私はとても重要だと思っているのです。

日々の家事や育児に忙しくしている合間のほんのひとときに、あるいは疲れて仕事から帰ってきた玄関先で、気に入っている家族写真がパッと目に飛び込んできたら、張っていた気持ちがふっと緩んだり、ほっとしたりするのではないでしょうか。
私は、家族写真にこうした気持ちを”ほどく”効果があると考えています。そしてそれは、何かとプレッシャーを多く受け、頑張りすぎてしまいがちな子育て世代が、仕事や家事や育児にまつわる目の前の問題からいっときズームアウトして自分たちを俯瞰し、長い目で見て大切なことは何かを思い出す、そんなきっかけになってくれるのではないかと期待しています。それこそが、私がこの仕事を始めるに至った原点の思いです。

飾る写真は、ご自身やご家族が撮影したものでもいいし、もちろんプロに撮影してもらったものでも構いません。ただひとつ、写っている本人が気に入っているものをなるべく選んでください。プリントも今はインターネットで1枚から手軽にオーダーできますし、コンビニプリントや自宅プリントでもいいのです。最近撮った写真の中から気に入ったものをまずは1〜2枚選んで、ちょっと大きめにプリントしたら、シンプルなフレームに入れて食卓などに飾ってみることから始めませんか。きっと家族の間に新たな会話のきっかけが生まれると思いますよ。

 

写真と文:花田友歌(はなだフォトワークス すみだ 代表)
hanadaphoto-sumida.com