亀戸線散歩 fatboyわだ/連載全3回 【最終回】
※この連載は2020年冬号~2021夏号すみだノートフリーペーパーに掲載されたものです。
亀戸線散歩
文・写真:fatboyわだ
曳舟川通りを渡る手前から亀戸線は高架になり曳舟駅へと至る。
ホームは短い列車に合わせた小さな5番線。本線に遠慮するかの様に端っこに停まる。
基本的にこの専用ホームからの発着となるが、一日に一本6時25分発の列車のみ伊勢崎線の特急も停まる4番線から出発する。春日部の車庫からの送り込みの為だ。
10両も停車する事が出来るホームに2両の可愛らしい電車が停まっているのは面白い。
長いホームをゆっくり走り出した列車はやがて本線を離れて亀戸線に入る。
今でこそ亀戸線は支線に甘んじているがかつては東武鉄道のメインルートだった。
現在のメインは浅草に向かうルート、押上から地下鉄に乗り入れ都心に向かうルートだが明治期は亀戸線が亀戸から総武鉄道(現JR総武線)に乗り入れて両国(当時は両国橋)まで行っていたのだ。
そんな時代を偲び両国まで足を伸ばしてみる。
現在では臨時ホームとなっている両国駅3番線はその名残り。行き止まりになっているホームに旅情を感じる。
支線となった亀戸線にたまにしか使われなくなった両国駅3番線。そのどちらにも哀愁を感じる。そんな想いを胸にぶらぶら散歩もまた一興なのではないかと思う。
【参考文献】東武鉄道百年史
【協力】東武鉄道
文/著者 プロフィール
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大田区生まれで高校時代より江東区、江戸川区、墨田区と東京東部に住む下町育ち。
fat boys blues band、路地裏ノ月盗団といったバンド活動を通して「すみだストリートジャズフェスティバルinひきふね」のスタッフとなる。
下町の魅力を掘り起こす事に夢中になってます。
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