かつてはベーゴマ、今は「絵手紙」に夢中
日本絵手紙協会会長
登坂和雄

子ども時代の想い出といえば、町工場、路地裏、駄菓子屋、そして火事。遊びはメンコとベーゴマだ。
昭和30年代のメンコの絵柄は力士や野球選手などで、人気のものは憧れの的。ひたすら対戦を挑んではブロマイドのように集めることに没頭した。
ベーゴマも大好きだった。鉄の塊であるベーゴマは、相手を弾き飛ばし、自分は最後まで回りつづけることが重要だ。駄菓子屋で買うと、下錐部分をヤスリで尖らせバランスを整えたりした。しまいには町工場の職人さんに頼み込んで、鉄から削り出した通称「旋盤」と呼ばれる無敵のベーゴマを造ってもらうほどのめり込みよう。
大切なメンコとベーゴマだったが、手元には一つも残っていない。町工場から出た炎が焼き尽くしてしまったからだ。冬の夜空に上がる煙と炎の光景は今も忘れられない。
シニアに仲間入りの現在は、絵手紙に夢中だ。絵手紙とは「絵のある手紙を送ること」。シニアを中心に全国に多くの愛好家がいる。私の「絵手紙のタネ」は近所の庶民庭園・向島百花園。四季折々、花のスケッチに通う。
帰宅したらスケッチを元に、墨や筆などで絵手紙をかいて投函する。しばらくすると返事が届く。絵手紙は究極のアナログ・コミュニケーションだが、デジタル中心の今だからこそ貴重な手がきの魅力が詰まっている。アナタも、絵手紙をはじめてみませんか。







