我がふるさと“墨田区立花”

丸源飲料工業株式会社
代表取締役専務
阿部浩明

阿部浩明

ちょうど干支が大きくひと回りする前に、私は産まれた。以来、育ちも仕事もずっと墨田の街にいる。ずいぶんと時が経ったものだなと感じる。

立花では小さい頃からあって当たり前の東武亀戸線の小村井(おむらい)駅。2両編成の電車は私にとってはごく当たり前の乗り物である。でも、この場所をご存じない方からすると、都内での2両編成の電車は珍しく、小村井をどう読むのかわからないらしい。

この亀戸線は曳舟~亀戸の3.4㎞で両終点駅を入れても5駅しかない。昭和の初めは9駅で、小村井~曳舟間にはなんと3駅(虎橋通、十間橋通、天神)が存在していたようでビックリする。なんとなくその痕跡は今でも残っている。踏切が多いことも面白い。曳舟駅は高架になったがそれ以外はそのままだ。小村井駅は駅舎が建て替わる度に改札口の位置が線路を挟んで行ったり来たり。いろんな歴史を持っている。地元の民としては無くてはならない大切な生活路線だし、東京下町の風情が残るだけにこれからも存在し続けて欲しい。

小村井駅
東武亀戸線 小村井駅

すみだの街は音楽の街となってきている。2010年にすみだストリートジャズフェスティバルがスタート。錦糸公園をメインに錦糸町、押上、両国界隈に多数の会場でさまざまなジャンルの音楽が溢れる、今や墨田区内で行われる大きなイベントの一つだ。

2018年にはその兄弟イベントとしてすみだジャズinひきふねが京島地区を中心に始まった。仕事を始めてからずっとご無沙汰していたが、このイベントが30数年ぶりに私がギターを弾き始めるきっかけをくれた。2023年、同イベントのライブに参加させて頂いた。

趣味の域を出ない拙い演奏だが、これからも音楽の街すみだと共に楽しくギターの音色に接することができたらいいなと思っている。

我がふるさとが、下町文化の良いところを残しつつ、新たな文化を取り入れ変わっていく姿をこれからも私は見続けていきたい。