すみだ物語

暮らしのものがたり

暮らしを豊かにする家族写真【3】

家族みんながカメラマン

家族みんながカメラマン

©2019 Yuka Hanada

こんにちは、カメラマンの花田友歌です。

あなたの家族の中で主に写真を撮るのは誰ですか?お父さんでしょうか、お母さんでしょうか。もしくはおじいちゃん?
我が家では、家族みんながカメラマンです(0歳の次男はまだ撮れませんが)。夫はスマホカメラで、私は日によって違うカメラで、そして4歳の長男もコンパクトデジカメや私のスマホカメラで写真を撮ります。

写真とは、誰かの視点を通してある日のあるシーンを切り取るものです。同じものや出来事を見ていても、見る人によって見え方や感じ方は違います。だから「誰が」撮るかは写真にとって極めて大切なことです。
家族の中で写真を撮る人がいつも同じだと、その家の家族写真には自ずと、ある特定の人の目から見た家族の姿ばかりが残ることになります。そして、当然ながら撮影者は写真に入ることが難しいので(最近はスマホカメラやミラーレス機などでセルフィーも撮りやすくなりましたが)、撮影者自身の姿はあまり写真に残らない、ということになります。

一昔前ならカメラマンはお父さんの役割というイメージもあったかもしれませんが、最近は家族のメインカメラマンがお母さんという家庭も少なくありません。日々こどもたちを一番近くで見ている人が、パッと取り出せるスマホカメラ(最近はデジカメに負けるとも劣らぬ高機能ぶりです)などで撮るのが理にかなっているのでしょう。でもそうすると、家族写真の中でこどもたちとお母さんが一緒に写っている写真が少ない、ということになります。日々忙しくしていると、そのことを特に疑問にも思わないままこどもたちばかりを撮ってしまいがちですが、後でふと写真を見返したときに、ちょっと寂しい気持ちになるかもしれません。もちろん、母親以外の立場で同じように感じる方もいるでしょう。

だから私は、家族みんながカメラマンになって、交代で写真を撮ることをおすすめします。もちろん誰か1人メインのカメラマンがいてもいいのですが、時々は役割を交代して、普段撮らない人も撮る側に回ってみると良いと思います。日頃撮ってばかりで写る機会の少ないお母さんやお父さんを撮ってあげる、という観点ももちろんありますが、それ以上に、メンバーそれぞれが見た家族の様子を写真に残しておくと良いと思うからです。同じ景色や状況の中にいても、目の付け所は撮影者によって驚くほど違うものです。

我が家では、写真撮影の技術にいちばん詳しいのは私ですが、私が撮る写真が常にいちばん良いわけではありません。夫がスマホで撮影した写真の中には、絶妙なタイミングで撮った息子たちの可愛い顔もあれば、躍動感たっぷりのショットもあります。夫自身、撮影の技術には明るくなくてもスマホで気軽に撮ることをとても楽しんでいますし、私とはまた違った視点から撮影されたそれらの写真は、家族にとって貴重な写真たちであることに違いありません。

家族みんながカメラマン

©︎2017 HANADA Photo Works SUMIDA

また、たまには思い切ってこどもにカメラを渡してみても面白いかもしれません。もちろんカメラは精密機器ですから、こどもに持たせるのは怖い・・・という方もいると思います。我が家では、私が使わなくなったコンパクトデジカメを、長男が2歳の頃から時々持たせてみています。最初はでたらめにシャッターボタンを押しているだけでしたが、それでも中には面白い写真が混ざっていました。そのうちに被写体を選んで撮ることもするようになりました。
この虹の写真は長男が2歳のときに撮ったものです。初めて目の当たりにした本物の虹に、何か心を動かされるものがあったのでしょう、自らカメラを向けてシャッターを押していました。また夫と私のツーショットなど、長男でなければ撮れない写真も撮ってくれるので、今や我が家の立派なカメラマンです。

家族みんなで代わる代わる、さまざまな視点や角度から撮った写真が集まることで、家族のアルバムはぐっと深みが増すのではないでしょうか。それぞれが撮った写真を見せ合うのもまた、家族の楽しい話題のひとつになるかも知れませんよ。

 

写真と文:花田友歌(はなだフォトワークス すみだ 代表)
hanadaphoto-sumida.com