一番生きて、一番頑張った街
パンダジュース
船井美香

生まれも育ちも大阪で、東京で23年。気がつけば、12回もの引っ越しを繰り返してきました。落ち着く場所を探していた人生だったのかもしれません。
そんな私が、墨田区に住んで10年、お店を始めて12年になります。
お店の窓から見えるのは、いつも変わらずそこに立つスカイツリー。少し顔を上に向ければ気持ちもなんだか上がるような気がするんですよね。そのふもとで出会う人たちは、毎日違います。

笑顔の日もあれば、涙の日もある。ふらっと立ち寄る人、長い付き合いになったお客様、何気ない会話。小さな出会いの積み重ねが、いつの間にか私の人生そのものになっていました。
昨年には、脳疾患を抱える大阪の母を墨田区に迎え、一緒に暮らし始めました。仕事と介護に追われる毎日は決して楽ではありません。時には子にも助けられております。
日々、お客様の「元気?」の一言や、いつもの景色に、何度も支えられてきました。
刺激的で、慌ただしくて、あっという間だった12年。この街で私は、人に助けられながら、人と生きる温かさを知った気がします。
引っ越しを繰り返してきた私ですが、人生を終える時、「一番生きて、一番頑張った街はどこか」と聞かれたら、きっと私は墨田区の名前を思い浮かべると思います。







