江東橋5丁目で異彩を放つアートギャラリー「無人島プロダクション」
2006年に高円寺でオープンし、清澄白河を経て2019年に墨田区に移転してきたアートギャラリー「無人島プロダクション」は、9人と1組の作家をパートナーにそれぞれの作家の個性と時代を反映した作品を展示しています。
このギャラリーの建物は、戦後まもなく建てられた木造の元ダンボール工場をリノベーションしたもので、比較的新しい建物が並ぶ江東橋では、異彩を放っています。
多数のダンボールや断裁機など重厚な機械で埋め尽くされていた工場を整理するとともに、古い建物が持つ元々の素材を活かして、魅力のあるギャラリーとして生まれ変わりました。
今年15周年を迎える「無人島プロダクション」では、八谷和彦氏の個展「秋水とM-02J」展を3月11日(木)から4月18日(日)まで開催しています。
同展では、八谷氏が2003年より進めてきたプロジェクト「OpenSky」で個人により制作された一人乗り飛行装置(ジェットエンジン搭載)の「M-02J」を公開しています。
無尾翼機「M-02J」は、宮崎駿監督のアニメーション作品「風の谷のナウシカ」に出てくる架空の飛行機「メーヴェ」の機体から着想を得て作られたそうです。
「M-02J」の実機の展示を中心に、実際に空を飛んでいる「M-02J」の映像紹介や太平洋戦争中に日本陸軍と日本海軍が共同で開発を進めたロケット局地戦闘機「秋水(しゅうすい)」の資料や戦後初の国産旅客機YS-11の設計で中心的な役割を果たした航空エンジニア木村秀政氏の資料や、「M-02J」の設計を行った四戸哲氏のインタビュー映像も併せて展示しています。
「秋水」の資料制作にあたり、渡米して資料を集めたり、木村秀政氏が当時撮影した写真を東大の「記憶の解凍プロジェクト」の協力でカラー再現した写真など貴重な資料を見ることができます。
八谷和彦(はちやかずひこ)
メディアアーティスト。九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業後、コンサルティング会社勤務を経て、株式会社PetWORKsを設立。2010年より東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授。
無人島プロダクション
パートナー・アーティスト:八谷和彦、八木良太、Chim↑Pom、風間サチコ、臼井良平、朝海陽子、田口行弘、松田修、加藤翼、小泉明郎
東京都墨田区江東橋5-10-5
TEL:03-6458-8225
ホームページ:http://www.mujin-to.com