冒険 お祭り 「すみだ」の青い空

吉野家住宅及び表門 家守
吉野潤一

吉野潤一

子供の頃から本が好きだ。「海底二万里」や「アラビアンナイト」。小学生の頃、特に冒険譚が好きだった。通っていた第一吾嬬小学校(現:立花吾嬬の森小学校)の図書室で、海外の物語を読み漁った。

子供の頃から「お祭り」が好きだ。小村井香取神社の祭礼。両親は、よちよち歩きの頃から法被を着せてくれた。

社会人になった。冒険譚好きが、お祭り好きに勝って、海外勤務希望で就職。実家を離れた。念願叶って、日本を離れた。「アラビアンナイト」の国々を、英国人の同僚と飛び回った。湾岸戦争終結直後、油井火災で黒煙靡く中東の戦場跡の空で、小学校の屋上から見た光化学スモッグで煙る「すみだ」の空を想い出した。
阪神淡路大震災の翌年、母が急逝。二十一世紀に入って実家へ戻った。

東日本大震災で損壊した実家の住宅と表門の復元と、弟と父の逝去を経て、実家は墨田区登録文化財(建造物)になった。毎年九月第一土曜日の夕刻、小村井香取神社獅子頭巡行のご来訪。

「お祭り」が戻った。

今日の「表門」の空は、綺麗な御空色(みそらいろ)だ。

吉野潤一