すみだ向島EXPO 2020 リポート 居間theater「だれかの いま/シアター」
居間 theater「だれかの いま/シアター」
墨田区京島を中心に長屋や、民家の軒先など、まち全体を利用して開催されているアートフェスティバル「すみだ向島EXPO 2020」。(10月11日(日)まで開催中※水曜日休み)
https://sumidaexpo.com/
その中から今回は、居間 theater「だれかの いま/シアター」についてリポートしたいと思います。
EXPOの受付でありチケット販売所でもある「小倉屋」(京島3-50-12)の中に、「居間シアター」はあります。
小倉屋に入ると正面に大きな「居間シアター」という看板があるので非常にわかりやすいです。
看板をくぐって靴を脱いで中へと入ってすぐ右手の和室が「待合所」になっていて、そこが「居間シアター」の受付になります。
まず最初に、受付で一通り説明を受けます。
そして、1冊の台本を受け取ります。
そうです。
「だれかの いま/シアター」は、ここを訪れた「だれか」がこの台本に従って行動することで作り上げられていく、体験型アート作品なのです。
でも「演劇なんて小学校の学芸会以来やったことないわ」という方もご安心ください。あなたはただ、この台本通りに行動するだけで「その人」という役を演じることになるのです。
「演じるなんて恥ずかしくて出来ないわ。小学校の時も木の役だったし…。」という方もご安心ください。
この作品はおひとり様ずつの参加になります。
参加者は、この作品の舞台となる小倉屋2階に一人で上がって行き、台本通りに行動し、1階に戻ってくる。その間、2階にはスタッフもいないし、隠しカメラがあるわけでもありませんので、まったく恥ずかしがることはありません。
これがその劇場入り口です。
階段を上っていくと…。
客席入口があって、手に持った台本を開くと…。
おっと、これ以上は言えないので、舞台装置をちょっとだけお見せしますので、実際に体験するまで想像力を膨らませて楽しんでください。
ご覧いただいた舞台装置の中、一人っきりで、台本によって行動を制限されるという状況は少なからず、緊張感はあります。
しかし、階段を降りて再び1階に戻ってきた時、緊張の緩和によりあなたは普段よりちょっと高揚しているかもしれません。
そしてたった今、自分の体験したことを誰かに話したくなると思います。
だから是非、お友達と一緒にご来場することをオススメします。
もしお一人で来場された方は、近くのスタッフの方に話しかけるのもいいかもしれません。
ただ、近くにこれからこの作品を体験する順番待ちの方がいる場合は、ネタバレにならないようにご配慮ください。
台本は持ち帰ることができるので、コンシェルジュにオススメのカフェや飲食店を聞いて、そこでゆっくりとこの作品について考えるのもいいかもしれません。
この作品に仕掛けられたギミックを解きほぐし、じわじわと、そして突然訪れる気づき。
そんな揺り戻しを何度か繰り返し、劇中で果たした自分の役割について考えたり、そこにいたはずの誰かのことを、または居なかった誰かのことを思ったり…。
とことん、この作品を味わってください。
また、舞台となっている小倉屋2階は、採光の多い作りとなっているので、訪れる時間帯、天候などによっても雰囲気が随分変わります。
それによって、参加者の気分も変わり、この作品もまた形を変え続けていくことでしょう。
出来れば、常設展にして欲しいくらいすばらしい作品です。
とは言え、EXPO会期は10月11日(日)までとなっておりますので、未体験の方はお急ぎください。
チケットは「すみだ向島EXPO 2020」公式ホームページ からも購入できますし、直接現地の小倉屋でもお買い求めになれます。
早速、チケットと好奇心を持ってお出かけください。
そして豊かな想像力で、この東京の片隅から始まり、時を超え自他が入り混じり、最終的には自分の一部分が切り離されて、やがて「だれか」になる。そんな後ろ髪引かれるような、不思議な小旅行をお楽しみください。
すみだ向島EXPO2020
会期:2020年9月12日(土)~10月11日(日) 水曜日休み
時間:10:00~18:00(一部会場は20:00まで)
主催:すみだ向島EXPO2020実行員会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京、公益財団法人花王芸術・科学財団
後援:墨田区、NPO法人向島学会
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