すみだスケッチ

すみだの想い出

日常とつながるアートプロジェクト「すみゆめ」

荻原康子

「隅田川 森羅万象 墨に夢」統括ディレクター
荻原康子

隅田川にアーティストがかかわると、どんなことが起きるでしょうか。川の水から膨大な塩の結晶を創ったり、源流まで遡りながら水で風景を描いてあぶり出しをしたり、川のうえでゴルフをやったり、ファスナーのかたちをした船が川面をひらいて対岸をつないだり。実際に、これまで実現してきたプロジェクトの数々です。身近な風景や状況に、思わぬ角度から球を投げて波紋を起こす、そんな作用を起こすのが彼らの役割かもしれません。そう、森羅万象を追い求めた葛飾北斎のように。

北斎と隅田川、この2つを手掛かりとするアートプロジェクトが「隅田川 森羅万象 墨に夢」(通称すみゆめ)です。すみだ北斎美術館の開設を機に始まり、毎年秋にまちなかや川辺などで展開していて、今年は9月1日から12月25日まで行います。地域リサーチから生まれる音楽やダンス、昔ながらの遊び、皆でつくる演劇やミュージカル、まちあるきなど多彩な内容で、桜橋での盆踊りや巨大紙相撲大会など誰もが参加できる企画が多くあります。

「すみゆめ」は日常と地続きのところで創造性を発揮するもの、自らが表現を楽しんだり、アーティストと共創したり、隠れた地域の魅力に目を向ける機会です。期間中ほぼ毎週末、すみだのどこかでプロジェクトに遭遇できそう。ぜひ、お出かけください。